氷の化石「シルバーレイン」PCクォーツ・オブシディアンが思いのまま呟く所。知らない方は回れ右。

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2009-04.25 [Sat] 名前 【雑記】※0

あの人の名前はなんと言うのだったろう。
 
そういえば名前がないのだったっけ。

「名前?」

そう、草木にも、花にも、星にも、それぞれ名前があるだろう。

「はい」

君の名前だよ。名前がないと、私は君を呼べない。いつもは何と呼ばれていたの?

「おちこぼれ、とか、できそこない、とか」

そう。…でもそれは、名前じゃないんだ。名前というのは、その人の事を一言で現せる特別なものだ。おちこぼれも、できそこないも、君だけではないし、何より君はそうではないと思う。だからそれは名前じゃない。

「そんなこと考えてもみなかったです」

成る程……それじゃあ、何か名前を考えよう。

「それは勝手に考えていいものなのですか?」

むしろ自分で選べるのはこの上ない幸運かもしれないよ。そうだな…以前、氷の化石の話をしたね。

「はい。とても面白かったです」

それから貰って、クォーツはどうだろう。とても美しくて、曇りのない石の名だ。

「クォーツ」

気に入ったかい?

「はい…でもそれはその石の名前なのに、勝手に貰っていいんでしょうか」

うーん…石には確認できないなあ。もし何か言ってきたら、私から宜しく伝えておくよ。素敵な名前だったから、プレゼントしてしまったってね。

「あははっ」

ふふ。…君は誕生日もわからないのだった?

「はい」

それじゃあ、名前の出来た今日を誕生日にしよう。クォーツの誕生日だ。

「え?」

それじゃ、クォーツに私からプレゼントだ。

「え、ひょっとしてこれを渡すために?」

ふふふ、何も理由がないと遠慮するだろう?それは私が昔使っていた楽器だ。綺麗だろう。それは黒曜石という石で出来ている。

「すーっ……。……音が、鳴りません」

それはクォーツが下手なんだ。

「これは頂けません」

何故?音が出ないからか?下手だと言われて怒った?練習すれば出るようになるよ。

「そうじゃなくて、もう贈り物は頂きましたから」

ん?

「名前を」

ぶっ…いやあ、君はどうしてそうなんだろうね。いいよ、貰っておくれ。私が貰って欲しいのだから。

「でも」

黒曜石は、オブシディアンというんだ。クォーツとは対照的に、澱みのない美しい黒。君が持つことでそれは価値が出てくる。

「?…あんまり、意味がわかりません」

あはは、いいんだよ、それで。

「…オブシディアン…名前って、素敵ですね」

…うん。そうだね、クォーツ。
 


 


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